Q.「~ですよね」と断定的な同意を求められるようなセールスには要注意!

これは、実際に私が前の会社の教育で指導されたことです。

営業マンには「営業マニュアル」なるものがあって、ありとあらゆるお客様との問答パターンが網羅された資料がありました。
私はそれをみてなるほどなぁ~と感心させられました。

心理学的な見解から、人間の脳の仕組みの穴を突いたような事まで記述されているのです。
全部は書ききれませんが、よくあるセールストークで断定的な同意を求められる会話のパターンに入ったら要注意というのを述べます。

セールスマン(以下、セ):「ここをもう少しキレイにしたら、見栄えがよくなりますよね」
ユーザー(以下、ユ):「ええ、そうですね」
セ:「やっぱり、キレイなお家だと気持ちいいですよね」
ユ:「ええ、そうですね」
セ:「お友達も呼んでみたくなりますよね」
ユ:「ええ、そうですね」

→こういった、あまり意味の無いパターン化された会話を続けます。
すると脳はあまり意味の無い会話に対して思考力を落とします。
頃合いを見計らってセールスマンが。
セ:「じゃあ、ここをもう少しキレイにしてみましょう」
ユ:「ええ、そうですね」

と、ここでは工事自体に同意をもらうような言葉をユーザーから引き出すことに成功しました。
「んなアホな」と思われるかもしれないですが、小学校の時にやった「ピザ10回言ってみて」という引っ掛けと一緒なんです。
私は「こんな人を騙すようなセールスではなく、本当に良いものなら良さをもっと誠実に伝えれば気持ちは伝わる」と思い、早々にこの会社を退社しました。
現在は自分が自信を持って販売できるものを見つけています。

このような判を押したようなセールスマンが来るたびに、 私はこのマニュアルを逆手にとって「扱いにくいユーザー」に徹しています。
少しかわいそうではありますが、そこで商品の本当の良さをいえないセールスは本当のセールスとは言えないと考えます。